要旨
- 新弾カードレビュー(大感謝祭 ビクトリーBEST編)
- なぞるか 傷跡
- 刃鬼への忖度ついでに施される強化改造
- 5000VTがどれだけ轟破天目線でありがたいカードなのかというお気持ちを表明する長文
序論
村民・靴擦れ・まんじゅうです。奮発して買った革靴が足になじむまで、あとどれくらい私の小指はつぶれることになるのでしょうか。「履き続けていればそのうち広がって良い感じになりますよ~」って言葉信じるからな店員さん。
今回もやっていきましょうカードレビュー。今回はDM23-EX1 デュエル・マスターズTCG 大感謝祭 ビクトリーBEST編です。
全カードにシナジーを見出せるほどの慧眼は持ち合わせていないので、轟破天を使う上で何かしらの影響がありそうなカードを数枚ピックアップ。星1つ(★☆☆☆☆)~星5つ(★★★★★)の5段階で評価していきます。
お時間の無い方は「とにかくとっとと5000VTだけは確保しておくべし」ということだけ覚えていってくださいね。新弾発売翌日&VT高騰後に書き始めてるんでもう遅い気もするんですが。
本論
①情熱の薔薇 メーテル / 神にも届く歌声
評価:★★★★☆
スーパーウルトラハイパーミラクル《マジック・H・コレクター》カード。《SC龍飛→SC風流》を筆頭にしたマジック陣営のおかげで、ツインパクト軸の【轟破天】はようやく近代的なデッキになれたように思います。
「コレクターがいればS・バックで手札から轟破天を踏み倒せる」というのは、忍邪乱武発売当初から散々話題になっていたコンボでございますが。当時はデッキに非ツインパクトを入れるなり色を増やすなりの無理をしないと実現できなかったそれらを、メーテルはスマートに叶えてくれるのです。
5マナでコレクターを召喚し、ダイバーのおかげで大体生き残る彼の横にメーテルを添えてあげるだけでもう轟破天ですからね。手札やマナの要求値は高いものの、ここまで早期にガチャらずに10マナの呪文を唱えられるようになったのは革命と言って差し支えないでしょう。
SC龍飛が盤面にいれば更に可能性は広がります。具体的には、
- コレクターの着地時にメーテルや轟破天・轟破天から出したいクリーチャーを探しつつ、メーテル経由のS・バックに必要不可欠な「轟破天ではないツインパクトカード」も抱えられる
- メーテルの召喚時に下面のバウンス呪文がスタックされる=展開メタを先に退かしながら轟破天を踏み倒したり、轟破天によって生えてきた相手クリーチャーを1体(ほぼ)確定で除去できる
- 轟破天の処理終了後に《キングダム・オウ禍武斗》が場に置換効果で着地する=相手の置換除去メタをすり抜けながらフィニッシャーを展開でき、(相手のカウンターを考えなければ)破天九語+1打点でそのままゲームに勝てる
という、ファーストクラスなおもてなしを受けられるのです。(【バラギアラ】以外の)ツインパクト軸デッキが抱えていた「フィニッシャーどうすんねん」問題、凄い角度からの解決を見ましたね。おもしれーカードゲームですこと。
上述のシナジーを活かして組んでみたデッキがこちら。
轟破天三十四語 ~最近ずっと不明キャベッジ使ってるから真面目な轟破天組んでなかったわ~
《ベイビー「刃鬼」》を轟破天から出せば、相手のマナから出る3体目以降のクリーチャー&S・トリガーやニンジャストライクで出ようとしてくるクリーチャーを全てシャットアウトすることができます。2体までは自由な展開を許してしまいますが、破天九語発動用の的として働いてもらうのでほぼほぼ無問題です。
マジック陣営のSRを序盤からポイポイ投げられれば、中々戦えるデッキです。……それができなかった場合は、まあ、はい。
②10コスハンター3人衆
評価:★★★★★
刃鬼サポートのために産まれたカード達、何の因果か轟破天のカードでもありました。もう刃鬼の方に足向けて寝れませんよ。
- ツインパクトクリーチャー唯一の無条件常在全体SA化+相手のマナからエクストラウィン持ちを引っ張り出してしまうケースもケアできる敗北回避能力 / 扱いやすすぎるメタ焼き
- 《メヂカラ・コバルト・カイザー》を思わせる攻撃封じ+「展開しないで殴ればいいじゃん!」という抜け穴を塞ぐパワー12000ブロッカーというスペック / 使いやすいドロー呪文
- パワー13000ラインを踏み潰せるMF+マナが貯まりきっていなくてもメヂカラや《流星のガイアッシュ・カイザー》をオマケに召喚で展開できる踏み倒し / 次のターンの動きを滑らかにしてくれるトップ操作付きブースト
というハイスペックなツインパクトカードにG・ストライクが付いてくるってんですからもう大変。時代が変わる音がします。
しっかりパワーが12000以上なおかげで、キャベッジ軸の【轟破天】にスルリと搭載できるのが素晴らしいポイントです。特に「必然」の下面は喉から手が出るほど欲しかったものなので、このカードの存在だけで【緑単t赤キャベッジ】を考える意義が生まれたんですよね。……赤単色かつパワー12000以上のクリーチャーの層の薄さが酷いもんなのが玉にキズですが。いやまあ《龍世界 ドラゴ大王》いるんですけどね。
「8コスト以上のクリーチャーでもある初動」という甘美な響き、《終末縫合王 ミカドレオ》スキーとしても見逃せません。
轟破天三十五語 ~性癖~
なんかこう……こんな感じの。真面目にデュエマしてくれるデッキとなら結構戦えると思うんですよ。
「轟破天より刃鬼の方が圧倒的にファンが多いから、これからも継続的に強化が来やすい+直接的にコンセプトを支えるカードが刷られやすい」……なんて話を↑の記事でしましたが。ホントにここまで(ガイアッシュから2年と経たずに)ガッツリ強化パッチが配られて、それがツインパクトの復刻という時勢と噛み合って轟破天にまで影響を及ぼすとは。
これからも間接的なおこぼれ強化が施されることを祈りつつ、「こっちの方があっちの上位互換だし!」なんて愚かな喧嘩をやめて共に切磋琢磨していきたいものですね。
③飛翔龍 5000VT
評価:★★★★★★
前述の4枚が霞むほど、このカードによってもたらされた強化は計り知れないものであります。大真面目に、轟破天を現代環境で扱うなら必須級のカードだと思ってますよ私。
このカードがいかに轟破天のカードなのか、スペックを細かく見ていきましょう。
1.文明
水文明は古来より、ビッグマナデッキのサブカラーとして愛されてきました。自然文明だけだと、伸ばしたマナを上手く活用できないまま終わってしまいがちなんですよね。
現代においては、そこに闇文明を掛け合わせたいわゆるアナ・スゥルタイカラーが大人気です。他の色の組み合わせよりも頭一つ抜けた強さを誇る基盤、今後も末永くお世話になっていくことでしょう。
その基盤を邪魔することなくスッと投入できる水単色という色、とても好都合なのです。《天災 デドダム》や《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》を最速で使用したい欲求に、5000VTは寄り添ってくれているのですよ。
2.コスト
8コストと言えばミカドレオ、ミカドレオと言えば轟破天。故に8コストは轟破天であるわけです。
後で詳しく触れる自己軽減能力のおかげで、実際に支払うコストはここからガッツリ減ってくれるのもありがたポイント。「マナゾーンの枚数より大きいコストのクリーチャーの展開を縛る」タイプのメタに引っかかりやすいのは難儀ですが、そんな辛さを補って余りある強力さを8という数字からは感じます。9コスト以上に比べて、めちゃくちゃ蘇生したり踏み倒したりしやすいですからね8コスト。
3.パワー・ジャストダイバー
パワー12000と言えばキャベッジ、キャベッジと言えば轟破天。故にパワー12000もまた轟破天なのでございます。
大量のブースト+デカブツの踏み倒しをスムーズに行ったとしたら、ほとんどの場合キャベッジはリソースのほとんどを使い果たしてヘロヘロになっているはずです。最速で《地封龍 ギャイア》を立てたとしても、返しのターンに《とこしえの超人》《若き大長老 アプル》のようなマナいじりメタをポンと置かれるだけで身動きを封じられて形勢逆転……なんてことはさほど珍しくありません。そもそもマナが貯まり切る前に《星空に浮かぶニンギョ》なんて出された日にはほぼ詰みですからね。
そうした苦しさも、5000VTが緩和してくれます。【CRYMAX ジャオウガ】のような小型メタクリーチャーを使用するデッキの多くが横展開を得意とする現代、自己軽減能力のおかげでマナが伸びきる前でも5000VTのプレイはそう難しくないはずです。《ジャンボ・ラパダイス》で山札から掘り出す2コスト分の手間を含めても、8マナも捻らずに済んでくれるんじゃないかと私は考えています。
防御力に乏しいデッキなので多面除去+次ターンの延命しやすさUPが嬉しい、ジャストダイバーのおかげで《仙なる大地》のコストにしやすい+マナから再召喚しやすい、cipが召喚時ではなく出た時誘発なので《仙なる大地》などによって踏み倒すのも悪くはない……。見れば見るほど味のする、スーパー【キャベッジ】カードであることがお判りいただけたでしょうか。
4.自己軽減能力+全体バウンス+展開制限
これまでの【轟破天】において、「小型のメタクリーチャーを並べる」という行為はそのほとんどが半端な時間稼ぎでしかなく、それらの展開を行う間はマナを伸ばす手が止まることがほとんどでした。「轟破天の詠唱そのものにはほとんど寄与しないメタクリにデッキ枠を割く」という微妙な気持ちを飲み下して環境に抗うか、速攻で妨害を仕掛ける必要のあるタイプの対面を割り切ってしまうかの2択が常に【轟破天】スキーの頭の中にあったことかと存じます。
「メタクリで時間を稼げば実質的なブーストになるじゃん!」という意見も確かに一理ありますが。それは【CRYMAX ジャオウガ】【オービーメイカー】【鬼羅.Star】のようなメタクリが稼げるような多少の時間でゲームを決着させられるデッキだからこそ通用する理屈であって、基本的に大量のマナを貯めるまで膨大な時間を稼ぐ必要のある【轟破天】に同じ理屈は通用しない……と私は考えています。轟破天で一方的な展開を行うためだけのとこしえなら、道中プレイする必要なんてありませんからね。
そんな前提を、5000VTは吹き飛ばしてくれました。自己軽減能力のおかげでメタクリを並べること自体が5000VTへの布石になり、早期に着地した5000VTは次の相手ターンを生き延びる確率の向上と「轟破天の使用を咎めるメタクリが(ほぼほぼ)盤面にいない次の自分のターン」の予約を同時に行ってくれるんですよ。10マナ貯まるまでの時間稼ぎは難しくても、5000VTの着地までの時間ならメタクリ連中が十分繋いでくれるはずです。
今現在流行りの【赤黒テレスコ】なり【アナカラ―ジャオウガ】なり【サガ】なり、世間は思いの外パワー5000以下のクリーチャーによって回っています。とりあえずポンと出してみるだけで、エクストラターンを取ったような気分になれて快いですよ。……この記事書いてる裏で続々と名を揚げていく5000VTのことを思うと、明日からの環境はまた変わりそうな気もしますが。
無事にマナが貯まってからも、かる~い要求コストで追い5000VTをキメつつそのまま轟破天を唱えることだってできるわけですからね。凄いことですよホントに。
まとめ
新弾カードレビュー、ビクトリーBEST編でした。半分以上は5000VTについてしゃべってたんですけども。
5000VTがとんでもないスペックなだけで、その前に挙げた4種のカードも相当轟破天の強化パッチではあるんですよ。お安く販売されているのを見付けたらちゃっちゃか買ってしまうのをオススメします。全部強いしいつ値段が跳ねるか分からないポテンシャルを秘めているので。
近年稀に見る豊作具合、今弾はホックホクでございました。流石にしばらくこのレベルでの技術革新は起こらなそうですが、5000VTがいるだけであと数年は戦っていけそうな全能感すら覚えます。しつこいようですが5000VTだけは後悔しないうちにゲットしておくのが吉ですよ。
ここまでご覧いただき、ありがとうございます。お相手は村民まんじゅうでした。
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